【後編】人が成長するとは、どういうことか(オススメの本より)

はじめに
自分で自分を育てていこう!習慣化コーチのこんちゃんです。
今日は土曜日、オススメの本をご紹介。1週空いてしまいましたが、鈴木規夫さんの著書「人が成長するとは、どういうことか」の第二部(第5章~第11章)を後編としてご紹介したいと思います。
ちなみに、前編はこちら↓
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オススメポイント
各段階における特徴と支援方法を学ぶことができる
人の発達段階における移行の仕方、前期合理性段階(アンバー/オレンジ)、後期合理性段階(オレンジ)、前期~中期ヴィジョン・ロジック段階(グリーン~ティール)、後期ヴィジョン・ロジック段階(ターコイズ)、スーパー・インテグラル段階(インディゴ)、そして支援者の責任と、7つの章に分かれています。専門用語も多く理解が難しい部分もありますが、事例も記載されていてイラストもあるので具体的にイメージしやすい内容になっています。
支援者に求められる視点(一部抜粋)
注目!
●統合的なアプローチがもたらすもの・・・発達理論とは、人間がその一生を通じて体験することができる多様な在り方を認識・尊重するための視座を提供してくれるもの。まずは他者を他者として尊重しようとするところに成立する。他者を特定の発達段階に向けて成長させるためのものではなく、また、他者が特定の発達段階にその意識の重心を置いていることを批評したり、断罪したりするためのものではない。自らの発達段階を他者のそれを比較して一喜一憂するものでもない。それぞれの個人には自らが「選択」した発達段階でこの人生を生きる権利がある。
●「フラットランド」という病理・・・「垂直性」を拒絶して、肉眼で把握することができる量的な領域のみを現実なものとして位置づける態度。「真に重要なことは、量的に示せるものでありーあるいは、量的に示されたことでありーそのように示せないものには実質的に意味や価値はないのである」という発想。こうした時代的・社会的な文脈の中では、半ば不可避的に発達理論が志向する垂直性という価値観は蔑ろにされてしまうことになる。発達理論の重要な役割のひとつとは、こうした浅薄さに支配された社会の中であらためて垂直性を回復することにあるのである。
●人間の三つの価値領域「真・善・美」・・・「真」とは「何が正しい客観的な事実であるのか?」を問う客観的な真実の領域。「善」とは「何が道徳的・倫理的に正しいのか?」を問う領域。「何が正義であるのか?公正であるのか?」。「美」とは「何が自己の内的な真実に照らして正しいのか?」を問う領域。「真実性」の領域。これら三つの価値の領域のすべてが重要であり、それらはいずれも他の価値領域に還元することができないものである。バランスのとれた人格的な成長・成熟を実現していくためには、これら三つの価値領域のすべてを包容して、それぞれの領域が突き抜けてくる問いと格闘し続ける必要がある。
あとがきにかえてより
注目!!
発達段階とは、あくまで人間存在に生じているダイナミクスを理解するために便宜的に想像された「線」に過ぎないのである。そのことを忘れてしまうと、われわれは気づかないうちに発達段階という概念を現実そのものと錯覚してしまい、生きた人間にあてはめることで相手を理解し得たと思い込んでしまうことになるのである。その意味では、発達理論とは、人間という多面的な存在をあるひとつの方向から照らしだすささやかな光のようなものとして理解されるべきであろう。
⇒ そもそもこの「発達段階」という考え方も、あくまで専門家が分かりやすく区切っただけのことであって、対人支援者が参考までに知っておく知識で少し距離を置いて読んで欲しいという著者のメッセージのように感じました。1人1人の特性を活かして、クライアントさんがより満足度と幸福度の高い生き方をするために私はこれからも支援を続けていきたいと思っています。
感想

人材育成やコーチングの仕事をしている
人の能力開発や成長に関心がある
前編部分と同様に、このような方にぜひ手に取ってもらいたい1冊です!
本書の中で、合衆国の人口の70%は後期合理性段階(オレンジ)に完全に到達することはないと書かれており、今の社会的な条件下ではいかに「自律的」に思考することが難しいかが分かります。前編でも書いた通り「基本的には、自らの発達段階よりも高いところにいるクライアントを支援することはできない」、すなわち支援側がアンバー/オレンジ段階の場合、オレンジ段階を目指すクライアントの能力は十分引き出せないということになります。
「コーチング」「人材支援」をする我々が自身の発達段階や成長について実践を通じて高めることの重要性と、本当はそこまで発達段階が高くない支援者が分かったふうに人の発達について語ってしまうことのリスクをこの本では丁寧に教えてくれていると思います。私自身、この人材育成分野を専門領域にするにはずいぶん長い間葛藤がありました。でもここで勝負すると決めた以上、改めて人間としての意識を高めていかねばと本書を読んで感じました。
ぜひ同業のみなさんもご一読いただき、一緒に対人支援を推進していく仲間として発達理論の理解を深めてもらえたらと思います。
おわりに
514ページの厚い本でしたが、読み終わった後の爽快感を感じられる1冊でした。
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